子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




決して天馬くんとお揃いがいいとかそんなんじゃなくて。


ただ、その白いイルカが可愛かったから自分の分も買ってしまっただけ。



「天馬くんが誘ってくれたんだ。元気ないから息抜きにって」



普通に元気だったんだけどね、と念を押したけれど、その時は藤ヶ谷くんのことで頭がいっぱいで悩みが絶えなかった。



「ふぅん、……で、付き合ってんの?」



いつも以上に素っ気ない態度。


そうだよね。


仮にも、わたしに好きだと告白してくれた藤ヶ谷くん。


それなのに他の男の子と一緒に2人で出かけてたなんて嫌だよね。


もしわたしなら、嫌だと思う。



「そんな、付き合ってないよ?」



だって、天馬くんにも返事はしていないから。


2人の返事を保留にして、うやむやにしてる。



「綾瀬は? アイツのことどう思ってんの?」


「…………っ」



どうしてだろう。


ただの後輩だって言えばいいだけなのに。


何故か、言葉が出てこなかった。