外に出ると、ふわっと炭の香りが鼻をかすめた。
まさにバーベキューって感じ。
「お肉と野菜持ってきたよー」
とりあえず準備ができた、第一弾の食材たち。
「こっちのテーブルに置いてくれる?」
「うん」
近くにいた藤ヶ谷くんに言われるがまま、指さされたテーブルの上に食材の乗った皿を置く。
「ちょっと待って」
まだ運ぶものがあるからと、もう一度コテージの中に戻ろうとしたところを止められた。
「キャンプ椅子立てるの手伝ってくれる?」
「うん? いいよ?」
一瞬、中にいる2人は大丈夫だろうかと頭をよぎったけれど、すぐにきっと大丈夫だと自信に変わる。
だってしっかり者の絢ちゃんと穂乃実ちゃんだもん。
中にいてもあんまり手伝うこともなさそうだったし。
藤ヶ谷くんの頼みを無視することもできない。



