心が落ち着いてから急いでコテージに戻ると、テントを立てている真っ最中だった。
「初花せんぱーい! こっち側手伝ってください!」
「はーい!」
支柱はもう既に組み立てられていて、ちょうどカバーをかける真っ最中。
「初花先輩っ、天馬くんとどこ行ってたんですか?」
「……へっ!?」
「なんで知ってるの?なんて顔してますけど、2人ともいつの間にか居なくなってて、一緒に戻って来てたらわかりますよっ」
「別に変なことは……!」
「夜にたーっぷりお話聞かせてもらいますからね?」
「本当に話すようなことないんだからっ」
そう言っても、絢ちゃんの緩んでしまった口元はなかなか戻らなくて、夜のガールズトークの時間がちょっと恐ろしくなった。
話って……どこまでのことを話したらいいんだろう。



