「うわぁ……きれーっ」
思わず口に出してしまうほど、そこから見える景色は綺麗で。
白い雲がふわりと浮かぶ青い空。
そこにはっきりと映る、緑の生い茂る山。
一面に敷かれた芝生には、ところどころ小さなお花が咲いている。
マイナスイオンに囲まれるって、まさにこのことだ。
ここでぼーっとしているだけで、悩みなんて全部飛んでいってしまいそう。
「いいところですねっ」
「うん、本当に」
「綾瀬会長! 気持ちいいですよっ!」
そう言って、バサッと突然芝生の上に寝転がる天馬くん。
「天馬くんっ!?」
「ほら、綾瀬会長も!」
綺麗とはいえ、芝生の上に寝転がるのは……
と躊躇していると、グイッと腕を引かれる。
「隣に来てください」
年下とはいえ、男の子の力には敵わなくて。
バランスの崩したわたしの体は、天馬くんの胸の上へと落ちていく。



