あの後すぐに藤ヶ谷くんもやって来て、予定通りの時間にバスに乗り込み、キャンプ場へと向かった。
バスに揺られること1時間。
ビルが立ち並ぶ街並みから徐々に建物が減っていき、緑が多くなってくる。
遠くにうっすらと見えていた山は、もうすぐ近くに見えていた。
「ついたーっ!」
一番最初にバスから降りた絢ちゃんが、グッと両手を空に向けて体を伸ばしていた。
長時間のバスは疲れるけれど、なんだか遠足みたいで楽しかった。
「島元くん、キャンプ場までの道わかる?」
「任せてください」
最初に今回のキャンプ場を教えてくれた島元くん。
何度か来たことがあるみたいで、道案内をお願いした。
降りたバス停からは歩いて10分くらい。
「楽しみですね、綾瀬会長っ」
「うん、そうだね!」
生徒会メンバーの後ろを歩きながら、天馬くんと笑い合う。
今日はきっと楽しい日になる。
そんなことを思いながら歩いていると、すぐにキャンプ場に着いた。



