すると、「はいっ!」と元気よく手を挙げた天馬くん。
初めての高校生としての夏休みだし、きっと疑問が出てきたんだろう。
そう思って、天馬くんの名前を呼ぶ。
「こんなにお休みだと、綾瀬会長に会えなくて寂しすぎます……」
「そんな大袈裟な」
「そう言う副会長はなんとも思わないんですか?」
ボソッと呟いた藤ヶ谷くんの言葉を拾った天馬くんがつっこむ。
藤ヶ谷くんは何も答えない。
そんな様子を見て、絢ちゃんに「大変ですねっ」と言われた。
わたしは苦笑いしかできなくて……
この状況、どうしよう。
「そうだ! ねぇ、綾瀬会長! みんなでキャンプ行きましょうよ!」
「……キャンプ?」
天馬くんはいつも唐突で……驚かされる。
「いいじゃないっすか? キャンプ」
「わたしも賛成ですっ!」
島元くんと絢ちゃんが生徒会メンバーでのキャンプに賛成で、穂乃実ちゃんもコクコクと頷いていた。
チラッと藤ヶ谷くんを見ると、はぁとため息をつきながらも否定はしなかった。
これは多分、いいってことかな?



