子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




「ここにまだいるかと思って……探すの大変でしたよ」



人懐っこい笑顔でニコッと笑うその子は、ゆっくりわたしに近づいてきた。


すると、何故かわたしを守るようにスっと前に出てきた藤ヶ谷くん。


それに気がついた新入生くんは、藤ヶ谷くんをその笑顔からは想像がつかないような鋭い目で一瞬睨んだように見えた。


2人の間に、見えるはずがない火花が散った気がする。



「生徒会長にお話があります!」



一瞬見せた怖い顔は全くなくなって、同じ笑顔で真っ直ぐにわたしを見てくる。



「はい、なんでしょう」



お話があるというならば、それは聞くしかない。


生徒会長として、生徒の意見は聞く責任がある。


生徒会室には緊張感が漂っていて、みんなの視線がわたしと新入生くんに集まっていた。