子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




見つめ続けること数分。



「こんなに綾瀬会長に見つめられると照れますねっ」



照れた様子もない天馬くんが、そんなことを言う。



「待って、今考えてるから」



何としてでも当てたい。


その一心で見つめるけれど、何も伝わってこない。


それもそうだ。


わたしはエスパーじゃないんだから、心の声なんて聞こえない。


それでも必死に考えて……



「わ、わたしが、可愛い……とか?」



自分で言っておいて、恥ずかしくなる。


自分が可愛いなんて、口が裂けても言えない。


でも、天馬くんが口を開いた時は毎回そんなお世辞を言っている気がして。



「んー、間違いではないけど残念!」


「そんなっ……」


「でも、顔真っ赤にしてる綾瀬会長が可愛すぎるからいじめるのやめてあげる」



天馬くんはイタズラっ子の笑顔を浮かべていた。