「綾瀬先輩は……副会長のこと好きなんですか?」



直球に聞かれる。


今、まさにわたしが悩んでいること。



「わかんないの。 藤ヶ谷くんは大切な生徒会メンバーとして……」



良きパートナーとしては好き。


でも、この気持ちが恋愛感情なのかと聞かれたら、すぐにうんとは答えられない。



「それなら……」



天馬くんがピタリと足を止める。


それに合わせて、わたしも足を止めた。



「僕にもまだチャンスありますよね! 」



天馬くんは、どこまでもポジティブだ。


いつも、わたしに直球で気持ちをぶつけてくる。



「綾瀬先輩っ」



真っ直ぐにわたしを見つめる目からは、視線を離すことができない。



「きっと僕しか見られなくなるくらい好きにさせるから」



可愛い後輩くんから、大人っぽい天馬くんになった時は特に。



「だから、僕のことだけを見て」



わたしの心臓は、ドキドキしすぎて壊れてしまいそうになる。