その指の先には、イルカショーの文字。
「ちょうどこの後イルカショーがあるんです! 見に行きましょう!」
イルカは水族館にいる生き物の中で1番好きなもの。
イルカショーが見られるなんて嬉しすぎる。
多分前に来た時も見たと思うけど、まだ幼すぎて記憶は曖昧。
残っているのは、凄かったっていう記憶だけ。
「ここのイルカショーって、音楽と光とのコラボレーションも素敵なんだよね?」
「綾瀬先輩詳しいですね! イルカは好きですか?」
「うん、大好きっ」
「……っ、あ、すみません」
わたしが興奮気味に答えると、天馬くんがなぜか顔を赤らめて謝った。
不思議そうにしていると、天馬くんが口を開く。
「イルカのことなのに僕に言われたようでドキッとしちゃいました」
てへっと笑う天馬くんに、次はわたしがドキッとする番だ。



