クラゲゾーンを抜けると、次は熱帯魚ゾーン。
南の海によく合う鮮やかな魚たちが泳いでいる。
「きれーっ」
「あっ、映画に出てくる魚じゃないですか?」
天馬くんが指さしたのは、赤と白の縞模様の魚。
「カクレクマノミだね。 最初は名前わかんなくて、キャラクターの名前で呼んでたなぁ」
「そうですよね、わかります!」
あの子も出てたよね?
なんて、水槽の中を一緒に覗き込んで盛り上がった。
そして、1番感動したのは次の水槽。
自分たちの身長の何倍あるんだろうという巨大水槽。
そこには大きな魚から小さな魚まで、たくさんの種類の魚たちが泳いでいた。
「すごい……」
思わず声も漏れてしまう。
「……?」
巨大水槽に見とれていると、天馬くんがポケットから何かを取り出して、わたしの方をツンツンと突く。
「せっかくなので一緒に写真撮りましょう?」



