しっかりと繋がれた右手。
手汗をかいてしまっていないか心配になる。
ソワソワしているわたしをよそに、天馬くんはとても楽しそうに隣でニコニコしている。
わたしといるだけで、そんなに楽しいのかな?
もしそう思ってくれてるなら、嬉しいことなんだけど。
「綾瀬先輩は、どこか行きたいところありますか?」
「行きたいところかぁ」
デートでの行き先なんてわからない。
……ちゃんと調べて来たらよかった。
服装ばかりに気を取られてて、行き先のことを忘れていた。
後悔してももう遅い。
「天馬くんの行きたいところでいいよ?」
わたしはわからないし、今日は天馬くんからのお誘いだから、お任せする。
もしかしたら、わたしが先輩だからって気を使っているのかもしれないし……



