「…秘密」


「お兄ちゃんに秘密とか許されないから。言ってよ」


「絶対言いたくない」


「言えよ」



3回くらい繰り返しても柚は黙り込むだけ。

お前は俺だけを見てればいいのに。
落ち込むなら俺のことを考えて落ち込めばいい。


…って、なに考えてんの俺。



「人には知られたくないことの1つや2つあるのっ!お兄ちゃんだってあるでしょ!」


「…まぁ、あるね」


「え、あるの…?教えて」


「お前ふざけてんの?」



バッと起き上がって見つめてくる。


純粋なその目に俺の汚い部分は教えられるわけがない。

というか、こいつにだけは知られたくないと思ってる俺が居る。