「ただいまー!」
「お帰りなさい二人共。今日はね、カツ丼にしたの!たっくさん食べてね!」
「うっ、カツ丼……」
ラーメンのあとにカツ丼は……正直胃もたれが半端じゃないだろう。
それでもキラキラ眩しい笑みで迎えてくれるお母さんの気持ちを無下に出来るはずもなく。
「母さん、俺実は今日帰りに食べて来ちゃってさ。その代わり柚がかなりお腹空かせてるらしいから俺の分も食べたいって」
な、なに…っ!?
「あらそうなの?柚ちゃんたくさん食べてね!」
「………はい」
そして意地悪な兄に見守られる中、フードファイターにでもなった気持ちで2人分を本当に平らげてしまった私。
「さすが俺の下……妹」と、下僕と言いかけた兄が初めてそう言ってくれた。



