新しい冷蔵庫に買い換えて、夕飯はハンバーグをお母さんと作って。

お風呂に入って髪を乾かして、テレビを見て。



「おやすみ~」


「おやすみ柚、湊」


「ちゃんとお腹にかけて寝るのよ」



リビングの扉をパタンと閉めたところで、階段を全速力で駆け上がる。

同じように追いかけてくる男から逃げるように上がって奥の部屋へと直行。



「残念」


「わっ、ちょっ!」



パタンと閉じられたドアの中には2人の姿。

そのままパシッと腕を取られて、気付いたときには天井が目の前にあった。


そして重なるのはその人。

まだ“バカ兄貴”って言われたこと、根に持ってるのかな…。



「お兄ちゃんも嘘ついてたでしょっ!おあいこだよ!」


「今は2人きりだよ、柚」


「…み、湊くん、」



実はそうでもないらしい。


悪魔から甘い甘い顔へと変わった彼は、堕天使系なお兄ちゃんではなく。

今度は甘々系な彼氏となった。



「んっ…、」



甘い甘い時間はまだ始まったばかり。

堕天使系の兄は、まだ知らない顔をきっと持ってるはずだ。



「…柚の初めては全部俺が貰っていいんだよね?」


「う、うん、」


「じゃあ───…もっと気持ちいいこと、しよっか」


「え、んぁ…っ!」



ほら、今みたいに。