そんな地獄のような初日を迎えて、私はそれから学校が始まれば言われた通りパシりとして下僕として従うしかなかった。


4限終了のチャイムから1分以内に買い、誰にもバレずに生徒会室に焼きそばパンと野菜ジュースを置く。

そして早急に何事も無かったかのように去る。


そんな生活が始まってしまった。



「毎回毎回どこ行ってんの柚」


「ごめんちょっとね…」



さすがに生徒会長の下僕として命張ってます、とは言えるはずがない。

遥には他校の先輩だと言ってあるし、クラスメイトは誰1人として親が再婚したことすら知らない。


こうしてサッと抜けてサッと戻って誤魔化す日々。



「で、どうなのタワーマンションお兄ちゃんとの生活は」


「……初日でパンツ見られました」


「…そんなラッキースケベある?しかも初日って」



ううん、そんないいものじゃないの。

ウサギさんなの、絶対に見られては駄目なやつなの。

しかも真顔で去って行かれるという…。



「でもそれってさー、意外と内心はモヤモヤしてるかもよ?」


「…え。」


「男子高校生なんてそんなもんよー」



さすが遥。

中学のときから年上とばかり付き合って、今も大学生の彼氏が居るとかなんとか。