「あ、受かってる」



封筒を開けて、トーンを変えることなくあっさりと言い放った兄。

お父さんもお母さんも私もドキドキしていたというのに、もっと喜んだらどうなの。


え、これ本当に合格通知?と一瞬思ってしまった。



「え、受かった!?受かったの!?」


「うん。ほら、」


「わぁ本当だっ!やったねお母さんっ!受かったって!!」



ぴょんぴょんと飛び跳ねてるのは私。
誰よりも喜んでるのは私。

日本でも五本指に入る偏差値の大学に受かっちゃうなんて、さすがはお兄ちゃんだ。



「これで次は柚だな!」


「私はこれから2年になるからまだいーの…!とりあえず今日は乾杯だねっ!」



あっ、そうだ!

あとで柚スペシャルもあげよう!


冬休みが終わって3学期が始まって、兄の受験も無事に受かった。

淡々と進んでゆく毎日は彼と離れてしまう期間を近付けさせていることだけが胸を痛める。


………の、前に。