「…おにーちゃん、」


「ん?」



星、綺麗だね。

冬だと空気が冷たくて、夜は空が澄んでいるからたくさん見えるんだって。

前みたいに流れ星流れてくれないかなぁ。



「あのね、おにーちゃん」


「なーに」



あのとき、私が何を流れ星にお願いしたか知ってる?


───お兄ちゃんとずっとずっと一緒に居られますように。


そうお願いしたんだよ。



「……すき」



少し熱があるのかもしれない。

まだ倒れたときの余韻が残ってるのかもしれない。


口走ってしまった気持ちを誤魔化そうとも逃げようとも思わず、ただその背中をじっと見つめる。


……もう振られていい。

そんな気持ちで伝えた想い。




「男の人として……羽柴、湊くんが……すき」




本当はずっと呼びたかった。

“お兄ちゃん”って呼べるのは私だけの特権で、もちろん嬉しかったけど。


でも…本当はこんなふうに名前で呼んでみたかった。

おかしいね、前は恥ずかしくて言えなかったのに、今はこんなにも簡単に言えちゃうんだもん。