バチッと目が合って数秒。

父と母は今はリビングには居ないらしい。



「…さすがにウサギはないでしょ、ウサギは」



「子供じゃん」「小学生?」と、容赦なく小馬鹿にする羽柴 湊。


時間が止まった本日2回目。

上から下を一通り見つめたその男は、そのまま真顔で背中を向ける。


……なんで真顔なの?

せめて動揺とか見せてくれたら、まだ私だって恥じらいを少しは感じられたよ?



「明日お兄ちゃんと一緒に下着でも買いに行く?」



そんなことを言いながら階段を登って行った。


違う、私がしたかったお兄ちゃんとのショッピングはそういうのじゃない。

想像してたのと全然違う…。
色々と正反対だ。



「ぎゃぁぁぁぁあああああっ!!!」