どうにも本当はギターが1人欠けてしまったらしく、ボーカルだった女の子はギター側に回ったという。
だったらギターボーカルとして歌えばいいのに…って話なのだが。
そのギターコードが歌いながら弾けるほど簡単では無いらしい。
「他の女子に頼んでよっ!星の数ほど居るじゃんっ」
「俺達に居ると思うか!?!?」
「………確かに」
「おい!!!せめて否定しろ!!」
明らかにもっさりした眼鏡男子が2人も揃っていれば、女の子も寄っては来まい。
唯一の女の子でありボーカル担当だったという、今はギターに回っている他クラスの原田さんも他に頼める子は居ないと言う。
「それに七瀬も言ってたし!お前、歌上手いんだってな!」
……遥、あの野郎。
今ごろ高見の見物でもして笑ってんだろう。
渡された楽譜、曲名は確かに誰もが知っているJ-POPだった。
「ゴリゴリのバラードじゃんっ!!」
「叶わぬ恋を秘めた女の子の切ない歌なの!伝えることなんか出来ないくせに一途な気持ちで…!
お願い真崎さんっ!あなたにしか頼めない…!」
おい、それは私を馬鹿にしてるのか原田さん。
なんでグサグサ刺さるんだろう、一言一言が。



