「…寂しいね、柚が居ないと」
お前に会いたいよ。
学校でだってすれ違うだけで前みたいに簡単に声をかけられなくなった。
お兄ちゃんで居ていいって言ってくれたのに、離れるとそれすらも難しくなってしまって。
「…湊、もし何か母さん達に後ろめたさがどこかにあるのなら…そんなのは気にしなくていいのよ」
やっぱり母親だと思った。
隠し通すことなんか出来ないよ。
俺がお前のお兄ちゃんであるように、この人は俺達の母親なんだから。
「…初めてなんだ。誰かを大切にしたいって思ったのは」
「ふふっ、見てればわかるわ」
「うん。…柚はここに居なきゃ駄目だ。
…俺が、駄目だ」
やっぱり今日のカレーは美味しかった。
それでもあいつが居たらもっと美味しい。
隣の部屋からお前の馬鹿みたいな声が聞こえないと、逆に落ち着かないんだよ。
勉強だって進まない。
───…だから帰って来てよ。
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