堕天使系兄の攻略方法。

湊side




「湊、お風呂沸けたわよー?」



下の階へ聞こえるように「はーい」と、少し大きめに返事をする。


今の成績であれば勉強しなくとも大学は受かりそうだけど、それでも一応は受験生という名がある。

それに勉強は元々嫌いじゃなかった。



「柚ー、俺この問題解いてからになるから先入って───…って、なにしてんだろ」



いつも部屋の前まで行かなくても伝えられたけど、俺はそいつの顔が見たいが為にわざわざ行ってたっけ。

クルッとUターンして、再び自室へと戻る。


もう今はあいつはここに居ないってのに。



「味はどう?」


「十分美味しいけど、もう少し辛い方が俺は好き」


「柚ちゃんは辛いの駄目だから……って、今はそうしなくていいのよね」



母さんもこの調子だ。


カレーって普通は家族揃って食べるものじゃないの?

今ここには俺と母さんの2人しか居ないんだけど。

父さんも最近仕事が忙しいらしいし、帰りが遅い。


…こんなの、再婚前と変わらないじゃん。