「…例えばだよ?例えば、…先生とかさ、形上好きになっちゃ駄目な人を好きになったらどうすればいいかなぁ…」
あれ?寝ちゃった?
返事が返ってこないんだけど…。
自分から聞いておいてそりゃないよ、と思いつつ少しホッとしてる私もいて。
「…あの子じゃないの?ほら、前に柚と一緒に居た格好いい男の子」
………バレてる。
恐るべし母親。
でもね、もし気持ちを伝えたら誰かを傷付けて大切な形を壊しちゃうかもしれないんだ。
「柚のこと、すっごく優しい顔して見つめてたから…柚を大切に想ってくれてるんだろうなぁってすぐに分かっちゃったわ」
そんなの知らなかった。
私じゃない人から見た目線がどんなものかなんて私が一番知らない。
でもお母さんの言った通りだとするならば、学校で呼び出しを食らう理由も分からなくもなかった。
「お母さんが言えた台詞じゃないかもしれないけど…、お父さんもお母さんも、柚の幸せが一番大切よ」
その言葉を聞いてから、そっと瞳を閉じた。
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