「じゃあもう兄妹ではないってこと?」


「うーん…ちょっと違う。お父さん側には付いてるけどお母さんと暮らしてるだけ、みたいな」


「…じゃあまたお父さんの方には戻るってこと?」


「……たぶん」



正直、私もこの形は良く分かってない。

遥に説明できるほど理解してない。

それでも私が今あの家を離れて、実の母親と暮らし始めたのは本当。


お父さんに話してくれたのはお兄ちゃんだった。

もちろん驚いていたけれど、いつだって娘のことを一番に考えてくれた父親だ。


『俺はどんな形であれ柚の父親だからな』と、受け入れてくれた。



「あっごめん私バイトだ!また明日ね遥っ!」



校門前の立ち話に時間を忘れてしまってた。

今度のバイト先は、ガッツある店主さんが経営している自営業のもんじゃ焼き屋さんだ。