「それと来週から毎日購買で焼きそばパンと野菜ジュースね」
「わ、私が…?」
「当たり前。他に誰が居るの?」
えっと、才色兼備で男女平等に接してくれる王子様みたいな生徒会長はどこへ…?
目の前には明らかに悪魔しか居ないのですが……。
このまま物理的に食べられてしまうんじゃないかってくらいの迫力の悪魔が。
……でも待てよ?
「そ、それが妹としての役目なら精一杯頑張りますっ!いえっさー!」
ずっと一人っ子だったから兄妹というものが良く分からないのもある。
もしかしたら、現実はこんなものなのかもしれない。
購買でお昼を買ってきてと兄に言われてるだけ。
妹って案外そんな扱いが普通なのかな…?
だから大きく敬礼のポーズ。
そんな私に悪魔は小馬鹿にしたように鼻で笑った。
「いい返事だ三等兵」
さ、三等兵……。
それは二等兵よりも下、ある意味ただの一般兵士だ。
「ただ───」と、その敬礼は呆気なくへし折られた。
「妹?勘違いするなよ。お前は今日から俺の下僕じゃん?」
「……」
まさかの発言に目をゴシゴシ擦った。
それでも目の前の光景は変わってなんかくれない。
「軍曹、下僕というのはつまりその…妹ではなく下部のような存在ということ、です…よ……ね…?」



