「…お前はスポブラとウサギパンツって決まってるのに」



あ、やっぱり気付いてたんだ…。

今日かな?

それとも、もっと前から気付いてたのかな。



「…でも今日から、またそのセットに戻したよ」


「そうなの?…見ていい?」


「なっ…!なに言ってるの!?」



ここで眠気は遠くなった。

でも嫌じゃない。
そう言われても全然嫌じゃない。


お兄ちゃん、私ね、今日やっと分かったんだよ。

羽川さんがお兄ちゃんのことを悪く言ったとき、今までに無いくらい腹が立った意味が。

お兄ちゃんが助けてくれたときに気付いた。


それは家族を悪く言われたからとか、そういう気持ちじゃない感情も混じってた。



「お兄ちゃん、あのね、」


「…ん?」



小指を立てる意味も、私のお兄ちゃんって思ったのも。

他の女の子の方へ行ってしまうのが怖かったのも。


全部、それだった。



「さっきの、…もう1回、」



私、なに言ってるの…?
馬鹿になっちゃったの?

それともまだ夢を見てるのかな。


でもこれが一番今日のことを忘れられるような気がした。

キスとはまた違ったその行為の意味はなんだろう。


これは私にとって初めてのことだ。