そう思ったら珍しく強気に出ていた。

私が少し睨んでいるからか、どこか勘に触ってしまったのだろう。

腕を掴んでは離そうとしない。



「は、羽川さん…!どこ行くんですかっ!」



そのまま引かれた先は店の裏側。


薄暗いその場所はゴミ置き場となっていて、夜は来たくないなぁと思っていた場所。

今日はいつもよりバイトが長引いてしまい、空は夕暮れが少し暗闇に変わりそうだった。



「兄貴といつも何してんの?血繋がってないから毎日ヤり放題?」


「っ…!!」



大きな袋が重なった上へと放り投げられた身体。


幸いふわっと支えられたけど、ゴミ袋の上ということもあって生臭い。

それでも目の前の男の恐怖に比べたら気にしていられなかった。