泣いたり笑ったり忙しいヤツ。

子供だなぁって思うときがほとんどなのに、たまに大人びた表情もするし。


今だって悪戯に笑って俺へと向かってくる。



「そういうとこ、俺に似てどーすんの柚。お前は頭の良さを俺から学びなよ」


「頭の良さも着々と似てきてるよっ」



ほら、こいつと一緒なら何だって楽しい。

特別なことなんか無くていいんだって思えてしまう。


その屈託無く笑う顔が───好きだ。



「ねぇ!この子持って帰っていい!?柚2号にする!」



なんだよ柚2号って。

お前は1人で十分。



「駄目に決まってんじゃん。置いて来ないならお前ごとここに置いて行くから」


「えっ!待ってよお兄ちゃんっ!!」



兄妹───。


それは近いうち、俺の前に立ちはだかる高い高い壁になるだろう。