ギクッ。

ここはどうにか誤魔化す笑顔を作ろう。



「べ、別に3日くらいは外食でもいいんじゃないかな!」


「お前リッチだね。あぁ、バイトしてるから?」



うわぁぁぁ墓穴掘った…!!

この話はお兄ちゃんの前ではタブーだったのにっ!!

なにしてんの私のバカっ!



「じゃあ私がお料理担当で…」


「俺、今日は和食がいい」


「……カップラーメンは和食ですか」


「まずカップラーメンは料理とは言いません」



ため息を吐いた兄は、仕方ないと呟いた。



「どうせそんなことだろうと思った。お前は洗濯ゴミ捨て風呂掃除、わかった?」


「はい…」



でもお兄ちゃんって料理出来るの…?

お母さんは確かにすっごく上手だけど…この人がしてるところは見たことがない。


もちろん私はド下手人間。



「いやいやお兄ちゃん、嘘は良くないよ。これどこのスーパーのお惣菜?」


「ふざけてんの?お前ずっと見てただろ?」



はい、見てました。

キッチンに立って手際良くお料理をするあなたをずっとガン見しておりました。


テーブルに並べられた和食はどこの定食屋さん?と聞き返したくなるくらいのクオリティだった。