素直というよりも心の声みたいなものが溢れた。

私の瞳はいつもいつもずっと律くんを追いかけていたから。


「よ、よろしく……お願いします!!」


「これからは転ばないようにね」


クスッと笑った律くんの横顔に何度も頷きながら、嬉しくて堪らなかった。

思い描いていたシチュエーションでもないし、自分から告白をしたわけでもない。

当然、律くんから「好き」って言われてもいない。


「顔崩れてるけど」


それでも私はまるで夢みたいで、嬉しさが顔に出ていたと思う。


今じゃ無気力で、エネルギー倹約家だし、塩を振りまくし、マイペースだし。

だけど、本当は優しいって知ってるよ。

時が流れても、私は思い出の中の律くんにだってドキドキしてばっかりで。


だから、やっぱり聞きたい。


「好き」って言葉。