寒いから私はカーディガンを羽織ってるけど、玲来ちゃんはスタイルのよさが際立っている。


「ねぇ、芽衣ってば。聞いてんのー?」


「あ、ごめん! 聞いてる聞いてる!」


「だからさ、その発言って、性的な目で律くんを見てるってことじゃない?」


「性的……って。やめてよ玲来ちゃん! 私が変態みたいじゃん!」


「え? 今頃お気づきになられた?」


「……異議あり!」


勢いよく席から立ち上がった私は、念の為、律くんの席へ視線をスライドさせる。


窓際の一番前。

本日も律くんは省エネ中。


「ありがとうありがとう」と眼福に浸る女子の存在さえも気づいてない。