「本当なら舐めてやりたいとこ我慢したわけ」


律くんがなにか言っているのにちゃんと聞こえない!


「だいたい二人きりの時でもないのに、そんな可愛いとこ誰に見せたいわけ?」


「……なっ、なんて言ってるか聞こえないよ!?」


「こっちは手ぇ出さないように理性保ってんだけど」


……てか、なんで耳塞ぐの!?


「人の気も知らないで。無自覚ってタチ悪い」


パッと解放された途端、律くんの声が聞こえた。


「りっ、律くん!? タチ悪いってとこだけ聞こえたけど、誰のこと!?」


「……」


答えることもなく、スタスタと教室を出ていってしまったのだ。