あれから神風くんと顔を合わせても、どうしたらいいのかわからない。


何度自分の胸に手を当てて確かめても、やっぱり気持ちは変わらない。


だからこそ苦しい。



「おはよ、澪」



神風くんはというと、いつも通り。



「……お、おはよ」



わたしは上手く話せなくて、すぐに目を逸らしてしまう。



「ねぇ」


「わわっ!?」



わたしの横を通り過ぎて、自分の席についたと思ったのに。


突然、顔を覗き込まれて、ビクッと体が震えてしまう。



「最近の澪、俺に冷たくない?」



そう神風くんが感じてしまうのは、きっとわたしが神風くんを避けてしまっているから。


声をかけられれば、短く答えて顔を逸らしてしまうし。


帰りも声をかけられる前にすぐに教室を出ているし。



「澪になんかしたっけ?」



したと言われればされた。


……けれど、これはわたし自身の気持ちの問題。


まだ整理しきれていなくて、神風くんとどう関わったらいいのかわからない。