1人でレジャーランドになんて行かないから、あたしも誰かに渡すと思っていたのかもしれない。


でもあたしはこの時閃いたんだ。


これって貴也との面識をもっと強めるチャンスなんじゃないの?

と。


高校1年生になってまだ2週間ほどだ。


正直、名前と顔が一致しない生徒たちもまだまだいる。


貴也はあたしのことをちゃんと認識してくれているかわからない状態だったのだ。


でも○○ランドで偶然バッタリ出会うことがあれば、印象的じゃないだろうか。


一瞬のうちにそこまで考えて、あたしは「ありがとう!」と、チケットを受け取ったのだった。