愛は惜しみなく与う【番外編】

はぁ
しんどい

「おい、杏の顔見たか?」

「……見てない」


朔は少し離れたところから見ていた杏の顔を見たらしい。そのまま杏は響とこの場を立ち去った。


「お前、フォローしろよ?花江先輩、杏に有る事無い事吹き込んでたみたいだぞ?お前がくる前に倉庫でわーわー騒いでた。あとなんか、お前の初体験は自分だとか……あとはこの倉庫でヤッたとか!なんか色々杏に言ったって」


「は?」


杏……それをあの女から聞いたのか?
なにも、言われなかった


「お前が女といるのを見たくないんだろ。それくらい察しろよ」

「なんでだよ。杏はそんな…」

「お前らいつまでそうやってんだよ!!もういいだろ。いい加減自分のもんにしとかなきゃ、フラつかれるぞ。あいつだってもう自由なんだぞ?お前がフラフラしてるように見えたら、愛想尽かされるぞ」


朔にさっさと追いかけろと言われ、バイクの鍵を渡された。
倉庫のゴタゴタは何とかするから、と。

助かる

なんか本当に、魂が抜けそうだ


嫌な話を嫌な女から聞かせてしまった。

弁解の余地もないけど、倉庫のことは違う。そんなことない。むしろ俺が総長になってからあの倉庫に入った女の子は杏だけだから。