「気にせんよ。まぁ、あーやって、あたし泉くんに抱いてもらってんって言われたらムカつくけど」
「は?言われたの?」
「うん。倉庫の休憩室でしたとか、色々言われたで」
あ、やぱ殴ってからこっちきたらよかったと泉の顔に怒りの色が…
「でも信じてない。泉はあの大切な場所でそんなことする様な人じゃないし。嘘ついてるなって思ったけど……気分は悪い。そんな風に言われる泉もちょっと悪いと思った」
放っておくからやんって思ったよな。
でもな…
「これからあたし以外に触れんといてくれるなら、許してあげるよ」
桜さんに言われた
あの日3人でお話しした時に。
泉が好きかどうかすぐわかる、とっておきの方法。
『泉くんが杏ちゃんにしてくれることを、泉くんがもし他の人にしてたらって考えてみて?そうしたら、気持ちに気づくよ』
そう言われた
そう言われてすぐ分かった
他の男の子があたしに触れたとして、他の女の子に同じことをしてても、何も思わへん。
でも泉はちがう
「キスすんのも手繋ぐのも、喧嘩するんも、ギュッてすんのも、あたしとだけがいい」
おかげさまで自分の気持ちはすぐ分かったよ。モヤモヤしてたのはどう言葉にしたらいいか分からんかったから。
ほんまにこの苦しい気持ちが恋なんか、分からんかっただけ。
でもそんなんどうでもいいよな
この気持ちが恋とかそんな難しいことじゃなくて…



