愛は惜しみなく与う【番外編】


「え、ほんとに言ってる?」

「逆に結婚してってのは嘘なん?」


あたしだってびっくりしてるのに、言った本人の泉の方がテンパるからさ。笑ってしまうやん。



「いや、嘘じゃないけど。え?ほんとに?」

「全然信じひんやん!」


あの泉が、ポーカーフェイスの泉が表情崩れまくりやで?

なぁ



「そんな顔、他の人の前でせんといて欲しい」


あたししか、見たことなかったらいいのにな


泉がこうやってテンパるのもさ、焦ったり照れたりさ…

あたしの前でしてほしいな




「やば、嬉しい」



しゃがみ込んだままだった泉は立ち上がる



「あの、えっと、同じ気持ちってことでいいよな?」

「うん、同じ気持ち。1回口にしたら、スッキリするな!大好きやぞ!」


目の前で突っ立ってる泉に飛びつく

泉はそれをしっかりとキャッチしてくれる

素直になれるわ


「あの女の人にヤキモチ妬いた。過去の泉の恋愛の話とか聞きたくないって初めて思った。モヤモヤするし、今日は顔見たくないゆうた。ごめんな?」


あたしのお尻を抱えるようにして抱っこしている泉は、あたしの首元に顔を埋める


「杏が聞きたことあれば何でも話す。でもあの、その、俺誰とも付き合ったことないんだよ」


……といいますと?


「俺さ、小5.6で烈火と少し絡むようになって、中3で総長になってんだわ。それどころじゃなかったのもあるけど、好きになった人が居なくて」