おでこにキスをする。


「杏がそんなこと考えてくれてるの知らなかった。俺も経営とか金の流れの勉強もしなきゃなって思ってたんだ」

「あたしは…泉と一緒の未来しか考えてなくて、泉の考えにも共感してたし、あたし達の性に合ってるなって思ってたから」


きっと普通の人には普通の人の悩みがある。でもあたしたちは不良と呼ばれる存在で、その世界で生きてきた。社会からはみ出てきた。

そのまま踏み外してしまう人もいる。そうならないように支えていきたいとも思う。


「とりあえず、朔は社員候補だから。あいつどうせ何も考えてないし。俺が専門学校行って数年働いて会社作るまでの間、まじで資格とらせる。知り合いの土方のところに突っ込むわ」

泉はキラキラした顔で話している。
嬉しいな。

あたし達の間で未来の話は少し寂しいお話やったから。
遠距離になると思ってたから。

だから今こうやって、心から笑顔で話せてる事に幸せを感じる。


そのあと2人でまだ先の未来を笑いながら話した。こんな事がしたいだとか、こんな場所に住みたいだとか…


幸せな時間を過ごした。


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