愛は惜しみなく与う【番外編】

あ、と思ったがもう遅い



「逃げるほど、俺に会いたくないか」



そう言って現れたのは、烈火の総長である、蕪木先輩だった。

威圧感からオーラ全てが普通の人とは違う。

ただ、杏さんをみてつぶやいた言葉は、とても悲しくて胸が締め付けられた。


「い、ずみ」


「迎えにきたけど、そこまで嫌がってるとは思わなかった。……今日は響と家に帰れ。俺は倉庫に泊まるから」


杏のこと頼んだ
と響先輩に言って蕪木先輩は店を出ようとする。
引き留めたほうがいい?私が引き止めるのはおかしいよね?


「杏…いいのか?」

「……なんでイラつくかわからんもん」


しょげる杏さんに響先輩がデコピンをした


「俺は杏も泉も好きだから。そんな2人見たくない。俺がこの前、杏は泉の隣にいる時が1番幸せそうに笑うって言ったの、気にしてるだろ」

やれやれ、言わなきゃ良かったね、ごめんと杏さんに謝ってる


「でもさ、杏は今まで悩んだ時どうしてた?」

「悩んだとき?」

「そうだよ。今までいっぱい悩むことあったろ?でもさ、杏は後悔しないように自分で決めて動いてた。だから全て、納得がいくんだろ?このまま泉とぎくしゃくしたままでいいの?」