杏の足を持ち上げると蹴り飛ばされそうになる。

やっぱりそうだな  


杏はクタクタになってからじゃないと、抵抗が激しくて大変だな。

やめておこう。ここで朝ごはん食べるのを逃したら、一生杏から恨まれそうだから。


「わかったよ。やめるよ」

「ほぇ?」

「なんだよ。やめて欲しくないの?」

「い、今は嫌やから!」


今は、ね  
アタフタしてる杏の頬にキスをしてベッドから降りる。


「朝飯の用意しよう」


「……もてあそんだなーー!」


言いがかりだ。
そこから1分くらい杏はご機嫌斜めだったけど、帰りに杏が行きたいって行っていた場所に行こうと言うと、すぐ機嫌は戻った。


よかった



20年間生きた中で一番幸せで愛おしい誕生日プレゼントだったよ。


旅館を出ると自然と手を握ってくれる杏


ありがとうな






この時の俺は平和ボケしていた。向こうに戻れば波乱が待ってるとも知らずに幸せに浸っていた。


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