愛は惜しみなく与う【番外編】

「泉?」

「風邪ひいたらダメだから。ちょっと待ってて」


杏をベランダに立たせて、走ってバスタオルを取りに行く。この部屋にバスタオルが大量に装備されててよかった。


テンパってる
正直夢じゃないかなって思ってる


手は震えてるし情けないくらい間抜けな顔をしていたと思う。


「おいで」


バスタオルを広げると、杏はバスタオルに頭から突っ込んできた

びしょびしょじゃん

ほんと……
 

何してんだよ


俺よりもかっこいいの、やめてくれよな



もう、ほんとうにいいの?なんてそんな情けないことは聞かないよ。


髪と顔を拭いて杏の浴衣の紐を引っ張って解く

肌に張り付いている布は1枚


杏は何も言わずに俺の手元を見ている



心臓が出そうだ



「持ってて」


バスタオルを杏に渡すと、杏はバスタオルをギュッと掴んで、肩らへんで持った。


それを確認してから、俺は杏に纏わりつく浴衣を脱がせた


水を含み、テラスにベチョと音を立てて浴衣は杏の足元へ落ちる。


もう一枚のバスタオルを杏の背中に回してそのままお姫様抱っこをする


わぁっと小さく声を漏らした杏