愛は惜しみなく与う【番外編】

「俺は……全部だ。思ってるよりも全部…杏が欲しいんだよ?何もわかってないなら、杏を壊してしまうかもしれない」


一度触れてしまったら止まらないから

そうならないように、自制するしかないから


思ったよりも、抑えが効かないんだよ


でもそんな俺の言葉も、杏には敵わなかった



「どういうことか、わかってるよ。わざと煽ってんねん。こうでもしな、向き合えなさそうやから」


「あ、ん?」


杏は今俺の膝の上に跨っている

俺よりも高い位置にある杏の顔

俺は杏を肩に手を置いたままだった


そのまま杏は俺の顎に触れ笑った




「あたしも泉が欲しい」




誰ですか、この子は
この愛おしい生き物はなんなんだ
俺の膝の上で笑いながら
俺が欲しいと言ってくれた

顎に添えた杏の手には、少し力を入れられて


俺の首は自然と上を向く


あ……これはヤバいな


本能でそう悟った


俺の目を見つめたまま、杏は吸い込まれるようにキスをしてきた


身体中に血が巡る

血が沸き立つ


薄く目を開けて唇に吸い付いた杏に、俺の理性は途切れた




「わぁ!」


風呂の中から杏を抱き上げる

服が水を含み重い