「忘れ物ないか?」

「た、多分。なんか忘れてたら向こうで買うしええよ」

「てめぇ、それはお嬢様発言だぞ!」

「ええ!?そういうつもりちゃうけど」


あたしは今、入り口で荷物チェックされてる。あたしは子供か!!
響も珍しくソワソワしている。


「何なんみんな。なんでそんなしっかりと、お見送り?1泊やで?なんか1年間留学でもいくんかってくらいソワソワしてるやん」


なんやこいつら
今日は泉と温泉旅行!一泊やしすぐ用意も済んで朝からちゃんと朝ごはんも食べてたら…

みーんな起きた

一泊やで?すぐ帰るのに…


「なんだか、一人暮らしする娘を見送る気持ち」

「一人暮らし既にしとんねん!」


居候は多いけどな!
慧はオカンのような発言


「向こうで何するんだ?」

「温泉やで温泉!有名なところ!日頃の疲れがぶっ飛ぶねん!」

「もっと疲れるかもな」

「……ん?どーゆうこと?」

「いわねぇ!」


なんやねん。朔はお土産買ってこいよと最後に念押しして、さっさと行けと玄関にあたしを追いやる。

いや、あんたらが行く前にわーわーゆうたんやん!