力では負けている女の子が、男に勝てる力をつけるまで…


どれほどの努力をしたんだろう


「だから杏ちゃんから泉くんと付き合ったって聞いて、あたしと美奈子ちゃんは泣きそうなったねん。色々なトラウマも乗り越えて…好きや思える人に会えたんやなって」


敦子ちゃんは、可愛い笑顔でとても嬉しそうに微笑んでいた。


「ま、今回杏の家に遊びに行くのは、あの子には言ってないけど泉と話すためなのよ。しょうもない男じゃないことは分かってるけど、杏を傷つけるなら、殺すわよーって牽制しておこうかと」


ふふふと笑い、そんな心配はないだろうけどねと美奈子ちゃんは、離れたところで電話をしている杏ちゃんを、優しい眼差しで見ていた。




「あの子が幸せなら、あたし達も幸せだから」



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