愛は惜しみなく与う【番外編】

『佐野、聞こえてんだろ?それか杏に電話出ろって言え』

「え、あ、はい」


ごめんね、杏ちゃん

あたしにはまだ、威圧感をだした蕪木先輩の耐性がついてないんだ。


「え?皐月ちゃん!?」

「ごめん、電話出て?声だけで殺されそうだったから。あたし、パス」


新との電話を切ると、すぐさま杏ちゃんの携帯に着信が。


美奈子ちゃんと敦子ちゃんは、バーカと杏ちゃんに言っている。

杏ちゃん…頑張って!
杏ちゃんは青ざめた顔ををして、携帯を持ってあたし達のいる場所から離れた。

大丈夫かな?


「ねぇ、杏は…うまくやれてるの?」


優しい声がした

美奈子ちゃんの声

さっきまで、バーカと杏ちゃんに言っていた声とは全く違う。


「泉くんと、付き合ってるんやろ?杏ちゃん、そういうの初めてやし、悩んだりしてへん?」


そうか

そういうことね

本当は2人とも、杏ちゃんが心配なんだね。すごく優しい顔になってるよ


「大丈夫だと思います。ちゃんと2人で気持ちを確認しながら…2人のペースで進んでると思うんで」