愛は惜しみなく与う【番外編】

ふふ
泉は優しいな


「皐月ちゃん?」

『杏ちゃん、やっほー!』

「やっほ!まだ歩いてる?」

『あと10分くらいかなー!』

「目印ないー?」

『ん?あのお祭りがあった商店街の通り歩いてるよ!もしかして着いちゃった?』

「んーん!まだ!泉が車乗せてくれてるし、2人も拾うわ」

『えええ!?いいよ。歩けるよ?』

「なんでよ!疲れるやん!まっててー!探すし」


電話を切って商店街の方へ向かってもらう。あたしは運転をしてくれている泉を眺める。


「運転してる時って、かっこいいよな」


なんかこう、倍増するよな?男の人の運転って。きっと泉くらい鼻高い人は、横顔が綺麗やからかな?


「……急になんだよ」


少し不機嫌そうに聞こえる返事も、あたしにはそうは聞こえない。



「照れてんの?」

「うるさい」


ふふ
かっこいいのはもう、当たり前くらいにかっこいいのにさ。

そんで、今までの人生かっこいいかっこいい言われまくってきてるやろうに…


あたしが言って照れるんは、ちょっと可愛いよな


「ほら、2人をさっさと探せ」

「はいはーい!」