愛は惜しみなく与う【番外編】


「携帯持ったか?」

「もった」

「財布は?」

「持ったって!」

「はい、これ」

「なに?」


「スタンガン」


「アホ!そんなんいらんわ!!」


リビングで小学生の遠足前のように、荷物チェックをされるあたし。
何歳や思ってんねん…

スタンガンは要らんやろ。どのタイミングで使うの?


「拳があれば大丈夫」

「お前のそう言うところが、泉の心配を煽んんだろ?」


分かってねーなと朔に言われる。
そうかな?
頼りがいあるように感じて心配せんくない?


「杏ちゃん、旅行先で桜さんに護身術教えておいてね〜」

「おー!わかったで!皐月ちゃんにも教えておくわ」

「え、ええ。程々にしてくださいよ?強い皐月はちょっと…見たくないので」


新は苦笑い
慧は楽しそう

いや、覚えておくにこしたことはないねんで?


「朔、あたしをどっかに連れ去ろうとして?」

「は?なに?意味がわかんねぇ!」

「護身術ってのは、こう!ってのをさ?」

「なるほど」


朔はそう言って手加減しねーぜ!と言いあたしの右手首を掴んできた。
泉は、もう勝手にやってろと諦めた様子。

掴まれた手首をくるりと返し、朔の手から手首をはずす