「びっくりしたー!こんなとこで知り合いに会うとは思わんよな」

「そうだな。親しかったのか?」

「え?うん。あたしがまだ志木と2人で暴れてた時、よく勧誘されてた。まぁ、よくしてくれた先輩やで」


「なるほどな。それにしては、杏の態度がおかしかったと思うけど」


「げ!やっぱり?あからさまやったかな」


杏は立ち止まりごめんと何故か俺に謝った。いや、俺はいいんだけど…違和感が…


「あたしさ、篤志先輩めちゃ強くて、昔好きやってん」


……え?  

えっと


ん?


「ほんでさ、まぁ可愛がってもらっててんけど、薔薇つくってから喧嘩三昧で、篤志先輩にも勝っちゃうようになって、あ、これは好きちゃうかったんやって気づいてんけど…」


いや、勝っちゃったら冷めるの?
俺、もし杏に喧嘩して負けたら振られるの?


「あ、待ってな?好きってなんか、そゆ意味じゃなくて憧れ的な!!強かったから、かっけぇ!って!まぁ、その人にも勝ってしまったし…てことな?」


俺が誤解してることに気づいたのか、あたふたと訂正してきた。