この優しさと温かさが、他の誰かに向いていた事があると思うだけで、嫉妬してしまうから。

俺もまだまだちっさい男だ


杏の顔にかかる髪をそっと耳にかけてあげる。
ほんとに眠かったのかもしれない。

すぐ寝たから

でも朔に言われたっけ。


杏がすぐ眠るのは俺の前だけだって。
安心しているから、そうやってできるんだって。

杏も本当にそう思ってくれてたらいいな。


どれくらい時間が過ぎただろう


杏の言う通りだよ

杏が寝てても

今この場所で2人の空間で、流れる時間を感じているだけで幸せだ


時折、何かむにゃむにゃと言う杏が、最高に愛おしい。


ただ足が痺れてきた


もっといい体勢にしてから杏を寝かせてやればよかった。


杏の首の下に腕を入れ、杏の頭を浮かせて足を抜く。


……俺も寝るか


芝生の上のレジャーシート

ベッドなんかよりも心地よい

そのまま杏に腕枕をして、俺は杏を抱き枕にして寝転んだ。


うん、最高


おやすみ、杏


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