「杏ちゃん!!物事には順番があるんだよ?」

「ほえ?」


「告白して同じ気持ちなら付き合う!デートにいく!そして手を繋ぐ!そしてキスをする!そして触る!そして…「こらこら、慧くん興奮しすぎ」


苦笑いの桜さんにストップをかけられた。止めてくれてよかった。
卑猥なことまで杏ちゃんに言いそうになったよ。


「慧くんが物事には順番があるんだよって言うのはどうかと思うけど」


桜さんにそう言われて、たしかに…と納得してしまった。いや、でもさ?


そこまでしてて、まだ好きがハッキリしないって、泉を不憫に思ってしまうな。

でもこの杏ちゃんの言い方的に、一回じゃないよね?


あーだめだ。深く追及したいけど、杏ちゃんが混乱してもダメだし…

肩をポンと桜さんに叩かれる。

その顔は任せてと言っているようだった



「杏ちゃん、あのね?」

「ん?」


「杏ちゃんが泉くんを好きかどうか、手っ取り早く分かる方法があるよ」


桜さん?


そうして桜さんは、杏ちゃんに何かを耳打ちした。


桜さんが杏ちゃんから離れると、杏ちゃんの顔はなんとも言えない顔をしている。

何を言ったのかな


「さ、杏ちゃんといっぱい話せたから、あたしは今日は帰ろうかな」